2017年6月1日

「学校ごとに情報化の状況を把握したい」「自分の学校の情報化の状況をチェックしたい」など、学校の情報化の状況を測ることができるWeb上の診断システムが「学校情報化診断システム」です。
このシステムには、学校の情報化を総合的に判断する項目20項目用意されています。
その20の項目をチェックするだけで、学校の情報化レベルがデータ化される無料のシステムです。
システムに登録されている全国約2,000校の平均データとの比較や、情報化レベルに応じたアドバイスを見ることができます。
このシステムは、日本教育工学協会(JAET)が運営しています。

学校情報化チェック 自己診断結果一覧表

20項目を自己診断して、学校の情報化をデータ化。

学校の情報化を総合的・網羅的に判断できる4カテゴリ×5項目、合計20項目
①教科指導におけるICT活用
  1. 1.教材研究・指導の準備・評価等におけるICT活用
  2. 2.教員のICT活用
  3. 3.児童生徒のICT活用
  4. 4.ICT活用による学力向上
  5. 5.普通教室におけるICT環境

②情報教育
  1. 1.教材研究・指導の準備・評価等におけるICT活用
  2. 2.ICTの基本的な操作の習得
  3. 3.情報活用能力の育成と評価
  4. 4.情報モラル
  5. 5.情報を活かすときの法や決まりの遵守
  6. 6.児童生徒のICT活用環境の整備

③校務の情報化
  1. 1.教材研究・指導の準備・評価等におけるICT活用
  2. 2.校務用PCと校務支援システムの整備
  3. 3.業務改善・効率化
  4. 4.学校ウェブサイト
  5. 5.保健・図書・一般事務等の情報化
  6. 6.情報化に関する規則の遵守

④情報化の推進体制
  1. 1.教材研究・指導の準備・評価等におけるICT活用
  2. 2.管理者のリーダーシップと学校情報化のビジョン
  3. 3.情報化担当教員(情報主任)
  4. 4.推進組織・校務分掌
  5. 5.教員のICT活用指導力とその向上のための校内研修
  6. 6.情報化の支援体制や外部との連携推進
学校情報化診断システム入力画面

自治体内の学校の情報化をデータ化
さまざまな場面で活用できる。

診断データは、さまざまな自治体で以下のように活用されています。

●実施事業の効果測定
→このデータをICT整備の効果測定データとして、財政へ向けた説明資料の一部として提出

●整備計画策定時や見直しの際の現状把握
→教育の情報化整備計画策定の際に、市内全学校の状況調査・分析ツールとして利用

●診断チェックを実施する管理職・情報担当者への意識啓発
→毎年の情報主任研修内で診断チェックを実施。自校の状況確認や経年変化を確認している。

●ICT環境の課題の洗い出し   など
(事例)ICT活用状況の経年変化

学校全体で取り組む、総合的な学校情報化の推進が重要。

JAETでは、学校、地域の情報化を支援することを目的として、情報化に力を入れ成果を上げている学校、地域を一定の基準で評価し、認定・表彰する事業「学校情報化認定」を行っています。

まず、このシステムを使って学校の情報化の状況を自己評価してみてください。
最初の診断結果が低かったとしても、各項目のレベルを少しずつ改善することで、 情報化を推し進めることができます。
ポイントは「学校全体で取り組んでいるかどうか」です。

情報主任やICTが得意な先生が一人だけで頑張っても学校の情報化は実現しません。
校長、副校長、教頭、教務主任、研究主任、情報主任などがリーダーシップを発揮し、学校全体で一丸となって、授業、カリキュラム、校務、推進体制などのあらゆる側面から情報化を推進していくことが必要なのです。

学校の情報化に総合的に取り組み、一定の基準をクリアし、情報化によって教育の質の向上を実現している学校は「学校情報化優良校」として認定しています。

現在、300校を超える学校が「学校情報化優良校」として、認定されています。
ぜひ多くの学校に「学校情報化優良校」の認定を受けていただきたいと思います。
日本教育工学協会 会長 野中陽一 教授