不登校児童・生徒数が毎年過去最多を更新していることを受け、2023年3月、文部科学省は『COCOLOプラン』を公表しました。
不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指しています。

そのため、児童・生徒に寄り添った多様な学びの場、居場所を確保をすることが大切です。

不登校の現状

2023年10月4日に文部科学省が公表した資料によると、小・中学校不登校児童・生徒数が前年度比22.1%増の29万9,048人となりました。
増加し続ける不登校に関する課題は年々深刻化しています。

不登校となる要因

・無気力、不安

・いじめを除く友人関係をめぐる問題

などが調査により大半を占めていることが明らかになっています。
さまざまな社会変化により不安を感じる要因が増加していると考えられます。
これらの課題に対し、文部科学省が公表したCOCOLOプランでは不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指しています。

文部科学省が目指す姿

1.学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする
➡学校で過ごす時間の中で最も長い「授業」を改善(子供たちの特性に合った柔軟な学びを実現)

2.心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する
一人1台端末を活用し、心や体調の変化の早期発見を推進

3.不登校の児童・生徒すべての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える
➡教育支援センターの機能強化メタバースの活用について実践事例を踏まえ研究

一人1台端末の支援はもちろん、近年はメタバースなど新たな取り組みが注目されています。

メタバースとは

インターネットを利用して作られた仮想空間です。

そのような仮想空間を利用した「メタバース登校」が新たな居場所・学びの場として不登校支援の選択肢の1つになってきています。
GIGA端末で操作でき、3Dメタバース空間にある学校に登校し、そこで授業を受けたり学校の活動を行ったりすることができます。

「メタバース登校」で実現できること

「メタバース特有の楽しさ」

素顔を出さなくても自分の気持ちであったり、感情をアクションで表現することができるため仮想空間上でコミュニケーションを楽しめます。
テキストチャットやボイスチャットでやり取りも可能です。

「自分の居場所」

不登校でも「学校へは行かなきゃ」と心の中では思っている子はとても多く、不安を抱いている子は少なくありません。
メタバース登校だと、自宅にいても「学校に行っている」と感じることができるため、そこが自分の新たな居場所の選択肢になります。

メタバースのオンライン授業

今後の動き

場所問わず多様な学びの場の確保が必要になってきます。
メタバースでは、不登校の子供でも安心して過ごせる新たな居場所になり、学びたいときに学びたいことを学ぶことがき、感情を豊かに表現できることが魅力の1つです。
不登校だけでなく、日本語指導が必要な児童・生徒の支援にもつながります。
今後、誰一人取り残されない学びを実現するためには、一人一人に合った学習の選択肢を用意することが必要です。
メタバースは自分に合った学び方を個別最適化な空間で体験することができます。
東京都教育委員会の新しい取り組みを紹介します。

メタバースを活用した不登校支援の事例

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