相模原市立緑が丘中学校 (神奈川県)

課題
  • 授業でICTを有効活用したい
  • 創造的・協働的な活動ができる空間を作りたい
  • 余裕教室などの空間を有効活用したい
導入製品・サービス
    • 学びの空間デザイン「新たな部屋」
自治体規模
100校以上
プロフィール

相模原市立緑が丘中学校
神奈川県相模原市中央区緑が丘1-28-1
http://www.sagamihara-midorigaoka-j.ed.jp/

印刷用資料
ダウンロード(PDF:1476KB)
取材日
2022年9月

株式会社JMC は、ICT を活用した多様な学びの可能性を広げる空間づくりに着目し、新しい時代の学びを実現する「新たな部屋」を整備する取り組みを進めています。教育委員会や学校、そして先生方と一緒に、これからの学びに必要な空間をつくっています。


ちゃぶ台や木製のベンチ、床面投影のプロジェクターに映し出される宇宙。レトロ感と近未来感が融合するかのような「新たな部屋」を導入した相模原市立緑が丘中学校。導入によって変化する生徒の学校生活や、「新たな部屋」の可能性など、小山副校長先生と、ICT担当の本杉先生に話を伺いました。

学校・教室らしさを覆す大胆な発想

レトロ感と近未来感が融合するかのような「新たな部屋」

相模原市立緑が丘中学校(以下、緑が丘中)は、市内の他校に先駆けてICT活用を進める中で、本杉先生が弊社代表の坂本による講演を聞いて、新しい学習空間の整備に興味を持ったそうです。その後「新たな部屋」の導入が決まりました。
「本校からは、グループ活動がしやすく、プレゼンテーションなどの発表に適したツールをそろえたいとリクエストしました。ちゃぶ台も本校からアイデアを出しました」(本杉先生)。なぜ机ではなくちゃぶ台だったのでしょうか。「四角い机は使う人数や位置が固定されますが、丸いちゃぶ台は自由に決められます。フロアに座ってちゃぶ台を囲めば、仲間との会話も弾むと思いました」(本杉先生)。生徒からの評判も上々で「友人と同じちゃぶ台で勉強するので仲が深まった」「床に座れるのが楽。ここに来るとリラックスできる」などの声が寄せられています。


空間の使い方を限定しないからこそ、思い思いの活動が可能に

テスト前に、ホワイトボードを使って生徒同士が教え合ったり、ちゃぶ台を囲んで勉強したりする姿

「新たな部屋」が完成した後は、先生や生徒の自由な発想に基づいて活用がスタートしました。例えば理科では Google Earth™ の惑星をプロジェクターで映し出しながら、授業を行っています。テスト前には、ホワイトボードを使って生徒同士が教え合ったり、ちゃぶ台を囲んで勉強したりする姿も見られます。
「あえて強制はしませんでしたが、先生方が『新たな部屋』を積極的に授業や学校生活に取り入れてくれました」と小山副校長先生は語ります。「使う機会が増えるにつれて、活用方法について意見交換する機会も増えています」(小山副校長先生)。


従来の方法にとらわれず、授業観を変えていくことが必要

相模原市立緑が丘中学校 副校長 小山 賢先生
相模原市立緑が丘中学校 副校長 小山 賢先生

一方で活用の課題もあるそうです。「『新たな部屋』に設置されている大きなスクリーンで映した画像や動画は、教室内の環境とは比較にならないほどの迫力や臨場感があり、生徒の興味や新たな発想などを引き出せます。しかし、映像を映し出す授業は今までも行われていたので、厳しい言い方をすれば、これまでの授業の延長の域を出ていません。『新たな部屋』をもっと有効活用するには、先生の授業観を変えていく必要があると思いますし、現場の意見をどんどん吸いあげながら、挑戦していきたいです」(小山副校長先生)。


学年に一つ、新たな部屋のような空間がほしい

相模原市立緑が丘中学校 ICT担当 本杉 新之介先生
相模原市立緑が丘中学校 ICT担当 本杉 新之介先生

「欲を言えば学年に一つずつ、『新たな部屋』のような空間があったらいいなと思っています」と、本杉先生は語ります。現状として同校の『新たな部屋』は大人気で、予約が重なるケースもあります。「皆が集まって自由に学べる『新たな部屋』のような空間が校内に複数あれば、活用の幅や授業の可能性も広がると思います」(本杉先生)。


挑戦の積み重ねが大切

床面投影のプロジェクターに映し出される宇宙
床面投影のプロジェクターに映し出される宇宙

GIGAスクール構想で学校のICT環境整備は進みましたが、活用は模索中の学校も多いようです。本杉先生はエールを送ります。「ICTの導入だけではなく、先生の授業観やICT活用に対する考えなども変えていく必要があります。本校はICT担当を筆頭に、ICT活用の取り組みを共有し続けたことが大きかったですね。実際に先生がICTを使ってみたら意外と便利で、生徒のやる気や主体性を引き出せると分かり、日常的な活用の原動力となりました。ICT活用が軌道に乗ると、さらに効果的に活用しようとして、先生の向上心が高まりました」。
「理科室、音楽室、家庭科室のような設備と同様に、どの学校にも『新たな部屋』が設置されるといいですよね。『新たな部屋』には、教育を大きく変えてくれる可能性がたくさんありますから」(小山副校長)。


※Google Earth は、Google LLC の商標です。